ピュタゴラスとは、紀元前6世紀頃に生まれた古代ギリシアの数学者、哲学者です。(三平方の定理などで有名ですね)
実は、ピュタゴラスは生涯を通して一冊も著書を残していません。
というのも、ピュタゴラスが組織した教団は秘密主義組織だったため、教団内部の情報を外部に漏らすことは固く禁じられていたからです。
そういうわけで、ピュタゴラスは弟子たちに口頭で教えを伝授していました。
そしてピュタゴラスの死後、ピュタゴラス派の弟子たちが残した書物によって、ピュタゴラスの教えが広まることになったのです。
ピュタゴラス主義者たちは「10」を完全な数であると考え、この世界のあらゆるものは数で表すことができると考えました。
そして1から10までの数にそれぞれの意味や属性を与え、天体と数字、神の名前と数字などを対応させました。
紀元前の頃からすでに、数字には固有のエネルギーがあり、宇宙の原理を数字で表せるということを人々は知っていたのです。
ただ、紀元前の時代のピュタゴラス派の学者たちによる数の意味と、現代の数秘術で使われている数の意味にはほとんど共通点はありません。
現在、世界中で使われている数秘術が「ピュタゴラス数秘術」と呼ばれるのには、実は他の理由があります。
それは、20世紀初頭、現代数秘術のルーツとなる数秘術を広めた、アメリカのミセス・バリエッタという女性の活躍によるものが大きいと言えるでしょう。